「第18回認定機構主催セミナーの報告」
第18回認定機構主催セミナーは、平成28年11月12日(土)に那須(栃木県)の東芝メディカルシステムカスタマーサポートセンターで「X線透視画像の特性を理解しよう ~ 基礎から臨床応用まで ~」をテーマに開催されました。受講者は42名でした。
セミナープログラムを下記に示します。
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09:40~10:30 透視画質に関する基礎
東芝メディカルシステムズ株式会社 佐藤 直高
10:40~11:10 透視画像を用いた被ばく低減の試み
昭和大学病院 佐藤 久弥(本機構専門技師)
11:20~12:10 透視画像処理の基礎および最近の動向
国立香川高等専門学校 本田 道隆
12:20~13:00 ランチョンセミナー
東芝メディカルシステムズ株式会社
13:10~15:00 実機を使用した透視画像の画質変化(実習)
東芝メディカルシステムズ株式会社 佐藤 直高
東芝メディカルシステムズ株式会社 阿部 真吾
15:10~16:10 IVR用X線装置の基礎
小田原循環器病院 宮崎 茂(本機構専門技師)
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東芝メディカルシステムズの佐藤直高先生からは、透視画像の基礎知識をとして、透視に関する規制、規格からノイズ除去、パルス透視、ABC制御、透視線量と被ばく低減、画像処理、画質評価に至るまで解説いただいた。本機構専門技師佐藤久弥先生からは、透視保存機構を用いた被ばく低減法を臨床画像を提示し、臨床の場で行われている透視保存と撮影画像の見えかたの違いと被ばく線量、狭窄率ファントムを用いた透視保存画像の狭窄率解析から最新の低線量撮影法について講義いただき、宮崎茂先生からはIVR用X線装置の基礎をX線管の基礎から発生原理、X線発生装置の種類、インバータ式X線発生装置の基本制御から管電流、管電圧、X線出力波形、JIS規格に至るまで時間をかけ講義いただいた。
国立香川高等専門学校の本田道隆先生からは透視画像の処理の基礎から最近の動向としてまず、画像ノイズの発生機構とSNRの解説、実際に適用されている画像処理としてリカーシブルフィルタ、空間フィルタ、ダイナミックレンジ圧縮法による画像処理を紹介していただいた。さらに画質評価の実例と画質処理の今後の動向につて解説いただいた。
実習は東芝メディカルシステムズの佐藤直高先生と阿部真吾先生の指導の下、実機を使用し透視画像の画質の変化を心カテ装置とX線テレビ装置を用いて行った。心カテ装置では透視画像を様々なパラメータを用いて画質変化を体感できたのは非常に貴重であった。X線テレビ装置では、ファントムを用いた透視ABC制御について、アクリルファントムの厚さを変化させたとき、ROIサイズを変化させたときの透視条件の変化等を実感でき、過度な絞りは透視条件を上昇させ、被ばく線量増加につながることを改めて感じた。
また、座学、実習とも受講生の方々から質問、意見等も活発におこなわれ関心の高さがうかがえた。
今回のセミナーを自施設での臨床に役立てることができることを期待したいです。
最後に今回の機構セミナー開催にあたりご協力いただきました東芝メディカルカスタマーサポートセンターの皆様に御礼申し上げます。